これから歯科開業を考える先生へアドバイス
こんにちは、竹中です。
毎月歯科経営の数字を拝見させていただいております。
コロナ禍少し前頃から開業費用が高くなり、開業のハードルが非常に高くなっていると感じています。
一般に、歯科経営の開業計画書では、患者さん5名程度から開始して毎月1名程度増えていくシミュレーションを立て、これに患者さん単価を乗じて売上予測を立て、人員などの辻褄を合わせるべく人件費を増額しつつ数字を組み立てていきます。
そして、売上が目標値に行かなければ自由診療を立てて目標値をクリアするように調整します。
これは、保険患者さんを分母として考える、いわば保険を主軸に据えた経営を表したシミュレーションです。
しかし、最近はスタッフさんが集まらず、またせっかく集めてもすぐに辞めてしまう医院さんが多いです。
そうすると、ユニットが空いてしまいますからダイレクトに保険請求点数が下がり借入が返済できる売上が賄えません。
もちろん自由診療を獲得しようと励みますが、患者さんのデンタルIQが低ければ売上は付いてきません。
では、患者さんをどうやって呼びましょうか?
いやいや、来てくれても先の通り人員不足で“診られる”人がいないのです。
そうすると、先のシミュレーションは前提を欠きますから、厳しい場合には再度運転資金の借入が必要となります。
幸い私の担当させて頂く先生方は力があり、ご自身で自由診療を稼いで乗り越えていらっしゃいますが、開業借入が多い分返済金額が多額であり、その原資となる毎月の売上に一喜一憂するなどハラハラしてしまいがちです。
そこで、これからご開業を考える先生方に何某かお力になれるアドバイスなどできないか考えてみました。
① まず、自由診療のマーケティングは、丁寧に考えましょう。
ここで“丁寧に”というのは、先生ご自身の技術、ご経験などを棚卸し、他院と差別化できる治療があれば、「誰に」、「それをどのように」、売るのか考え抜いてください。
色々な方に相談し、ときには会計事務所やコンサルなどにも相談し、事例収集などしてください。
② 保険診療がメインだけれども、自由診療だけでもやっていけるのか、ということを想像しておいてください。
決して保険が増えればそのうち何割かは自由診療となる、など安易には考えないでください。
③ ご自身の得意な治療で自由診療を稼ぐべく、積極的にマーケティングをしてください。
運転資金のあるうちに、勇気をもってしっかりとマーケティングしましょう。
出来れば、専用のHP作成、リスティング広告+その専門性をSNSでアピールしましょう。
つまり、保険患者さんから自由診療を生むのではなく、自由診療患者さんは、広告宣伝により自由診療の患者さんとして集患しましょう。
これらが出来ておられれば経営はかなり安泰だと思います。
ですから、開業希望の先生は、まずはご自身の技術、好きな事、提供したい診療などを棚卸し、それが売り物になるのかしっかりと考え抜ましょう。
以下は、その他細かなアドバイスです。
ご参考になれば本当に幸いです。
以上です。頑張りましょう!
★その他-1
削るのが速く旨い先生は、患者さんを多く見ることができますから、患者さん毎に予約時間を調整し、決して“一律45分”などと決めず臨機応変に対応しましょう。
予約を詰め込んだ結果、患者さんを待たせてしまうのであれば、その不満を解消する仕組みを考えましょう。
兎に角、手技が速い先生は削る量が少ないため技工金属も少ないため、利益が大きく無理に自由診療に誘導しないでも利益が獲得やすいです。
保険ならば保険の闘い方(患者数最大化+経費最小化)があり、成功すれば利益は大きいです。
★その他-2
保険メインの場合、個室はNG。
ユニット配置はアイランド型で院長が真中に居らっしゃるのが良し。
★その他-3
歯科医師会にはできれば入りましょう。
かなり煩わしそうですが(笑)、情報の宝庫です。
そして、学校医など積極的にやらせてもらってください。
じわじわ保険の患者さんが増えてくるそうです。
何より、子供のころから先生のことを認知してくれます。
これは非常に大きな付加価値だと思います。
★その他-4
患者さんとは、どんなに忙しくても名前を呼んであげて下さい。
そして、一言二言、天気の話など他愛のない話をしてあげて下さい。
これをルーティンにしている歯科は保険が強いです。
患者さんは緊張していますから、そんな中声掛けしてくれた先生のことをきっと好きになってくれます。
★その他-5
家族の支援を積極的に受けてください。
経理のマトメ作業、業者さんとのアポ取りなどの秘書業務、スタッフのガス抜きなど、奥様やご家族がお手伝いされておられる医院は本当に強いです。