2025年5月9日 BLOG 投資と保険を混ぜるな危険!~院長が資産を守り、増やすための思考法~ こんにちは、税理士の竹中です。最近、「子どもの学資はどうすればいいですか?」という相談をよくいただきます。 実際に、学資と保険を兼ねてドル建て保険にご加入されいる方、昔の学資保険をそのままにしている方など、様々です。そういったご相談の際に、毎回お伝えしたいのが、 「投資」と「保険」は分けて考えましょうということです。 事例:ドル建て保険とオールカントリーの比較 ある先生が2007年11月から2025年5月まで、毎月343ドルをドル建ての保険に積み立ててきました。 解約返戻金はおよそ8万ドル(約1,200万円)。一方で、同じ金額を毎月、全世界株式インデックス(オールカントリー)に積み立てていた場合、 2025年5月時点で評価額は約13.8万ドル(約2,080万円)に。差はおよそ880万円。もちろん、保険は保障も含まれていますし、結果論ともいえるので単純比較はできませんが、 運用という観点だけで見ると、これほどの差が出るのです。 保険は“守る”ためのもの 保険の本来の目的は、万が一のときの保障死亡や高度障害に備えた遺族の生活費医療・介護などのリスクヘッジつまり、「起きてほしくないこと」に備えるものです。だからこそ、「増やす目的」で保険を使うのは、 費用対効果の観点からも慎重であるべきです。 投資は“増やす”ためのもの 投資は、お金の価値が目減りするリスク(インフレ)への対抗手段将来の教育資金・老後資金の準備本業以外でお金を働かせる仕組み作りつまり、「必要な未来のためにお金を育てる」行為です。投資にはリスクがありますが、長期・分散・低コストという基本を守れば、 保険以上に“確率論でいえば強い味方”になります。 学資をどう準備すべきか? 子供の学資を考え、多額の保険にご加入されると、肝心かなめの学資が貯まりにくくなります。私がお勧めしているのは、最低限の保障(保険)は別で確保しつつ教育資金は“目的別の投資”で準備するという考え方です。例えば、投資信託(ジュニアNISA/新NISA活用)円建て+外貨建てのバランス資産必要時期から逆算した積立・取り崩し計画こうした設計が、将来の学費負担を無理なく支え、 かつリスクを抑えた運用にもつながります。 最後に:医院経営者にこそ、リスク分散の発想を 歯科医院の経営者は、誰よりも不安定な時代に向き合っています。だからこそ、資産も「一つの通貨、一つの商品、一つの考え方」に偏るべきではありません。保険で“守る”投資で“育てる”この切り分けをするだけで、資産管理の設計はグッと変わります。私は、これからも医院経営者の「本業」と「人生」の両方に伴走できる存在でありたいと感じています。投資と保険の違い、そしてその活かし方。 ご不安があれば、ぜひ一緒に見直していきましょう!